サマリー
◆7月の消費動向を確認すると、6月の消費水準をやや下回ったとみられる。6月末で終了したキャッシュレス・ポイント還元事業関連の駆け込み需要が剥落したことや、6月にセールが前倒しで行われたこと、足元で新型コロナウイルスが感染再拡大していることなどが消費を下押しした。
◆ただし、財の消費に関しては、4、5月と比較するとコロナショック前の水準に戻りつつある。スーパーなど巣ごもり消費が追い風となった業種では売上の前年比増加率が一服した半面、売上が大幅に落ち込んでいた業種は回復基調にある。他方、人の移動にかかわるサービスの回復は鈍い。7月22日には「Go To トラベルキャンペーン」が開始されたが、感染再拡大への懸念から関連サービス消費は本格的な回復には至っていない。
◆【小売関連】7月の大手百貨店の売上は前年比2割減程度と、減少率は概ね6月並みであった。7月の大手家電量販店の売上の伸び率は6月から低下したものの、特別定額給付金などの効果もあり、依然として前年を上回っている。7月のスーパーの売上の伸び率は6月から小幅に低下し前年比+3%程度であった。また、7月の新車販売台数はコロナショック前の水準まで回復した。
◆【サービス関連】新幹線の7月の輸送量は前年比5~7割減程度と小幅に改善した。旅客機に関してANAグループでは、7月は国内線の約5割、国際線の約9割が運休した。8月はANA、JAL両グループで国内線は約1割、国際線は約9割が運休する予定である。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
日本経済見通し:2020年7月
迷走する需要喚起策 -ウィズコロナ下の経済運営は「急がば回れ」
2020年07月21日
-
2020年5月消費統計
財消費は前月から小幅改善/サービス消費はさらに悪化
2020年07月07日
-
新型コロナに伴う外出自粛が地域経済に与えたインパクト
位置情報データに見る人出回復の地域差
2020年06月24日
-
Go To キャンペーンは観光業の起爆剤となるか?
「ふっこう割」から読み解く政策効果と今後の展望
2020年06月25日
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年1-3月期GDP(1次速報)予測 ~前期比年率+0.5%を予想
外需が下押しも内需は堅調/小幅ながら4四半期連続のプラス成長
2025年04月30日
-
2025年3月鉱工業生産
自動車工業や電気・情報通信機械工業など10業種が前月から低下
2025年04月30日
-
急速に広がる資格情報等のデジタル化
利用時に気をつけるポイントと求められるデジタルリテラシー
2025年04月28日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
-
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
-
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日