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日本経済見通し:2020年7月

迷走する需要喚起策 -ウィズコロナ下の経済運営は「急がば回れ」

2020年07月21日

経済調査部 シニアエコノミスト 神田 慶司

経済調査部 エコノミスト 山口 茜

サマリー

◆経済活動の段階的な再開により、日本経済は「戦後最悪」ともいわれる厳しい経済危機から脱しつつある。6月の貿易統計では、輸出数量指数が4カ月ぶりに前月比で増加した。個人消費は緊急事態宣言の全面解除や政策効果もあって5月に持ち直し、6月は回復基調が強まった。ただし4-6月期の実質GDP成長率は年率換算▲20%台後半と、過去最大の減少率が見込まれる。

◆家計所得の大幅減や連鎖倒産が回避されたことも個人消費の回復に寄与した。各種給付金などにより、家計の可処分所得は4-6月期に減少したどころか急増した。また同四半期の倒産件数は約30年ぶりの低水準だった。売上高に比した手元資金は特に中小企業で厚かったことに加え、政府・日銀による大規模な資金繰り支援策が下支えした。

◆感染収束に目途がつかない中、需要喚起策には感染拡大リスクが常に伴う。「Go To キャンペーン」の混乱で浮き彫りになったように、政府の需要喚起策は感染拡大防止と両立させるという視点が不十分だ。1カ月間で3.9兆円程度の消費減少が見込まれる緊急事態宣言の再発出の回避を最優先し、経済活動の正常化を着実に進める必要がある。そのためにも、経済活動を漸進的に再開させ、小規模で感染拡大リスクに十分に配慮した需要喚起策を実施するという「急がば回れ」の経済運営が求められる。

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