1. トップ
  2. レポート・コラム
  3. 経済分析
  4. 日本
  5. 2020年4月貿易統計

2020年4月貿易統計

コロナ禍で欧米向け輸出が大幅減少/輸入はコロナ特需が押し上げる

2020年05月21日

経済調査部 エコノミスト 鈴木 雄大郎

小林 俊介

サマリー

◆2020年4月の貿易統計によると、輸出金額は前年比▲21.9%と大幅に減少し、ほぼコンセンサス(同▲22.2%)通りの着地となった。欧米を中心とした各国のロックダウン措置等による経済活動の停滞が輸出を直撃した。

◆輸出数量(大和総研による季節調整値)は前月比▲14.9%と2ヶ月連続で減少した。地域別に見ると、米国向け(同▲28.3%)、EU向け(同▲22.4%)、アジア向け(同▲4.5%)といずれも減少した。とりわけ米国、EU向けは壊滅的な数値となった。アジア向けは半導体等電子部品や同製造装置などが増加したことで、欧米と比べて減少幅が限定的なものとなった。

◆4月の輸入数量(大和総研による季節調整値)は前月比+7.8%と2ヶ月連続で増加した。品目別に見ると、中国などアジアからの織物用糸・繊維製品や通信機類などが全体を押し上げた。織物用糸・繊維製品はマスクやその原材料を含んでいる。通信機に関しては、テレワークの拡大等によって需要が急増したことが押し上げたとみられる。

◆先行きの輸出数量は、4月を底に緩やかに増加するとみている。とはいえ、新型コロナウイルスの影響が表れる前の水準まで回復するには相当の時間を要するだろう。世界より一足先に感染収束に成功した中国向けの輸出が全体を下支えするものの、欧米でのロックダウン措置等の解除の動きはあくまでも段階的なものであり、正常化には程遠い状態である。回復も非常に緩やかなものにとどまるだろう。また、早期に経済活動を再開したばかりに、再び新型コロナウイルスの感染が拡大することになれば、ロックダウンの再実施等も予想され、減少基調が継続するリスクも十分にある。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

執筆者のおすすめレポート