サマリー
◆【6月の消費】需要側統計を見ると前月から減少した一方、供給側統計では横ばいであった。結果、需要側と供給側を合成したCTIマクロは小幅なマイナスとなったものの、前月の増加を踏まえると堅調に推移したと言えよう。内訳を見ると、需要側の減少はゴールデンウィークの影響により前月が強かった反動という側面が強い。供給側では、業種ごとに明暗が分かれ、衣料品関連が好調だった一方、自動車販売は前月の反動から落ち込んだ。
◆【4-6月期GDP個人消費】2019年4-6月期GDP個人消費は前期比+0.6%と、2四半期ぶりに増加したと予想する。4-6月期は1-3月期に弱かった反動に加え、10連休のゴールデンウィークが消費を押し上げた。また、雇用環境の改善に頭打ち感が見られることや消費増税を背景に消費者マインドが悪化しており、それが消費の下押し要因となろう。
◆【先行き】実質個人消費は、一進一退が続くとみている。個人消費の鍵を握る所得について、景気が停滞する中、名目賃金の上昇ペースは鈍くなることが見込まれる。また、雇用環境の改善に頭打ち感が見られることや消費増税を背景に消費者マインドが悪化しており、それが消費の下押し要因となろう。
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