新法による民泊、法施行後1年でどうなったのか

届出住宅数は低水準ながらも、増加傾向続く

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2019年05月28日

  • 経済調査部 市川 拓也

サマリー

◆いわゆる民泊新法における宿泊施設(=届出住宅)数、宿泊者数、宿泊日数はいずれも増加が続いている。稼働率は30%程度ではあるが、法による年間180日の上限規制や、自治体によっては制限区域の営業を週末のみとする条例があることを踏まえれば、低い水準にあるとは言い切れないであろう。

◆2018年6月の規制改革推進会議では、事業者の届出の際、自治体による不適切な運用が行われている点が指摘されたが、その後、政府関係部局は同年7月及び11月に自治体の長に通知を出すなど、届出手続きの適正な運用を働きかけてきた。

◆今後、同法の民泊に必要なことは、実態に則して過剰と判断される規制を徐々にでも取り除くことである。規制のハードルを下げつつ、適法でない事業者を適法に向かわせるかが、シェアリングエコノミーの代表格の一つである「民泊」のさらなる普及に向けた重要なポイントであると言えよう。

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