サマリー
◆4月の生産指数は前月比+0.6%と2ヶ月ぶりに上昇し、コンセンサス(同+0.2%)を上回った。4月の輸出数量指数を見ると米国向けを中心に上昇しており、輸出の回復が生産にも影響したようだ。
◆先行きを製造工業生産予測調査で見ると5月:前月比+5.6%、6月:同▲4.2%であった。また、計画のバイアスを補正した5月の生産指数は同+1.5%(経済産業省による試算、最頻値)と推計されており、生産の持ち直しが予測されている。ただし、調査期間(5月1日~5月10日)後に米中摩擦が更に激化しており、その影響が十分に盛り込まれていない可能性については留意が必要だろう。
◆業種別では、自動車工業や生産用機械工業などが上昇した。品目別では普通乗用車、フラットパネル・ディスプレイ製造装置などが上昇に寄与した。自動車工業は単月では上昇したものの、一進一退の推移が続いている。国内の新車販売台数は減少傾向となっている中で、輸出が下支えしている状況だ。しかし、牽引役であった米国内の自動車販売がすでに鈍化している点には注意が必要である。生産用機械工業についても基調としては、2018年初めごろから低下傾向である。機械受注統計ではピークアウト感が見られる他、2017年、18年半ばまでの牽引役であった半導体等製造装置の輸出も弱い。
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