サマリー
◆2018年9月の企業関連の指標を見ると、鉱工業生産指数は、前月比▲0.4%となり、2ヶ月ぶりに低下した。台風21号や北海道胆振東部地震の影響が一部見られる。他方、機械受注(船舶・電力を除く民需)は、同▲18.3%と3ヶ月ぶりに減少した。業種別に見ると、製造業は同▲17.3%と3ヶ月ぶりに減少した。非製造業(船舶・電力を除く)も、同▲17.1%と3ヶ月ぶりに減少した。7、8月に大幅に増加した業種での反動減が目立った。
◆2018年9月の家計調査によると、実質消費支出は季節調整済み前月比▲4.5%と2ヶ月ぶりに大幅に減少した。「交通・通信」(同▲18.9%)、「保健医療」(同▲6.9%)、などが減少した。落ち込みの大きい「交通・通信」は、8月に実質消費支出を牽引した「自動車購入」の反動減が影響している。他方、9月の完全失業率(季節調整値)は前月から0.1%pt低下し、2.3%となった。また、有効求人倍率(同)は前月から0.01pt上昇し、1.64倍となった。新規求人倍率(同)は前月から0.16pt上昇し2.50倍となった。
◆今後発表される経済指標では、12月7日に発表される10月景気動向指数、14日に発表される12月日銀短観に注目したい。9月の景気動向指数の一致CIは前月差▲2.1ptと低下し、基調判断は「足踏みを示している」へ下方修正された。基調判断の変更は2016年10月以来である。また、7-9月期のGDP一次速報は前期比▲0.3%と2四半期ぶりにマイナス成長となり、日本経済は踊り場局面にある。こうした日本経済の状況や米中貿易摩擦をはじめとする世界経済の先行き不透明感が企業マインドにどのような影響を与えているか、12月日銀短観で確認したい。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日
-
2025年11月貿易統計
主力の米国向け自動車の輸出が急回復し、貿易収支は黒字に転換
2025年12月17日
-
2025年10月機械受注
民需(船電除く)は2カ月連続で増加、基調判断は上方修正
2025年12月17日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年10月
高市・自維連立政権の下で経済成長は加速するか
2025年10月22日
-
非財務情報と企業価値の連関をいかに示すか
定量分析の事例調査で明らかになった課題と今後の期待
2025年11月20日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
第227回日本経済予測
高市新政権が掲げる「強い経済」、実現の鍵は?①実質賃金引き上げ、②給付付き税額控除の在り方、を検証
2025年11月21日
-
グラス・ルイスの議決権行使助言が大変化
標準的な助言基準を廃し、顧客ごとのカスタマイズを徹底
2025年10月31日
日本経済見通し:2025年10月
高市・自維連立政権の下で経済成長は加速するか
2025年10月22日
非財務情報と企業価値の連関をいかに示すか
定量分析の事例調査で明らかになった課題と今後の期待
2025年11月20日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
第227回日本経済予測
高市新政権が掲げる「強い経済」、実現の鍵は?①実質賃金引き上げ、②給付付き税額控除の在り方、を検証
2025年11月21日
グラス・ルイスの議決権行使助言が大変化
標準的な助言基準を廃し、顧客ごとのカスタマイズを徹底
2025年10月31日

