サマリー
◆2018年1-3月期の実質GDP成長率(二次速報)は前期比年率▲0.6%(前期比▲0.2%)と、一次速報と変わらず、市場コンセンサス(前期比年率▲0.4%、前期比▲0.1%)を下回った。需要項目別で見ると、法人企業統計の結果を受けて、設備投資は上方修正されている。また、基礎統計の直近値の反映により、個人消費と公共投資が小幅に下方修正された一方で、民間住宅のマイナス幅は縮小した。なお、在庫投資の寄与度はマイナス幅が小幅に拡大した。総じて言えば顕著な改訂はなく、一次速報と同様に、内外需ともに一旦成長が足踏みする結果となった。
◆先行きの日本経済は、2017年度に揃っていた好材料が剥落する格好で、踊り場局面に入る公算が大きい。輸出は①米国を中心とした在庫循環上の回復、②共産党大会を控えた中国経済の加速、③財政緊縮から拡張への移行に伴う欧州経済の回復により加速してきたが、これらの効果は一旦消失に向かう。内需についても、自動車を中心とした耐久財の買い替えサイクルが昨年末以降消失している。もっとも、マイナス成長が続くとの見方は悲観的過ぎる。生鮮食品価格高騰による消費抑制効果は一巡した。主要輸出先における天候不順の影響も一巡し、米国における減税効果の発現も期待されている。原油価格高騰の負の効果には留意が必要だが、景気後退リスクを織り込むのは時期尚早だ。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年3月雇用統計
失業率は上昇するも、求人倍率が上昇するなど雇用環境は悪くない
2025年05月02日
-
消費データブック(2025/5/2号)
個社データ・業界統計・JCB消費NOWから消費動向を先取り
2025年05月02日
-
2025年1-3月期GDP(1次速報)予測 ~前期比年率+0.5%を予想
外需が下押しも内需は堅調/小幅ながら4四半期連続のプラス成長
2025年04月30日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
-
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
-
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日