サマリー
◆2017年10月の全国コアCPI(除く生鮮食品)は前年比+0.8%と10ヶ月連続のプラスとなり、市場コンセンサス(同+0.8%)通りの結果となった。季節調整値によって指数の基調的な動きを確認すると、全国コアCPIと全国新コアコアCPI(生鮮食品及びエネルギーを除く総合)はいずれも持ち直しの動きが出ていると評価できる。
◆先行きの全国コアCPIの前年比は、前年に下落していた裏の影響が剥落するなかで今後鈍化し始め、いったんゼロインフレ方向へ後戻りする見込みだ。ただし、その後は、2017年6月を底に原油価格が上昇に転じた影響が顕在化し、上昇圧力が徐々に高まるとみている。当面の焦点は、引き続き、資源価格の動向だ。
◆原油価格は2017年に入ってから軟調な推移が続いていたものの、6月を底に上昇基調に転じた。代表指標であるWTI原油先物価格の推移を確認すると、6月は40ドル/バレル台半ば程度であったが、11月には50ドル/バレル台後半まで上昇している。その影響がCPIのエネルギー価格(電気価格、ガス価格、灯油価格、ガソリン価格)に全て顕在化すると、コアCPI(前年比)は+0.46%pt程度も押し上げられることになる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年8月機械受注
非製造業(船電除く)を中心に弱含み、政府は基調判断を下方修正
2025年10月16日
-
経済指標の要点(9/13~10/15発表統計)
2025年10月16日
-
25年度最低賃金改定の総括と今後の焦点
新政権では欧州型目標の導入など最低賃金政策の再考を
2025年10月14日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
第226回日本経済予測(改訂版)
低成長・物価高の日本が取るべき政策とは?①格差問題、②財政リスク、を検証
2025年09月08日
-
聖域なきスタンダード市場改革議論
上場維持基準などの見直しにも言及
2025年09月22日
-
今後の証券業界において求められる不正アクセス等防止策とは
金融庁と日本証券業協会がインターネット取引の新指針案を公表
2025年09月01日
-
日本経済見通し:2025年9月
トランプ関税で対米輸出が大幅減、製造業や賃上げ等への影響は?
2025年09月25日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
第226回日本経済予測(改訂版)
低成長・物価高の日本が取るべき政策とは?①格差問題、②財政リスク、を検証
2025年09月08日
聖域なきスタンダード市場改革議論
上場維持基準などの見直しにも言及
2025年09月22日
今後の証券業界において求められる不正アクセス等防止策とは
金融庁と日本証券業協会がインターネット取引の新指針案を公表
2025年09月01日
日本経済見通し:2025年9月
トランプ関税で対米輸出が大幅減、製造業や賃上げ等への影響は?
2025年09月25日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日