2017年6月日銀短観予想

業況感の改善が続き、設備投資計画も底堅い結果となろう

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2017年06月20日

  • 金融調査部 主任研究員 長内 智
  • 小林 俊介

サマリー

◆7月3日に公表予定の2017年6月日銀短観において、大企業製造業の業況判断DI(最近)は14%pt(前回調査からの変化幅:+2pt)、大企業非製造業の業況判断DI(最近)は23%pt(同:+3pt)と予想する。前回の3月日銀短観において、企業は先行きの業況に慎重な見方を示していたものの、海外経済の回復に伴う輸出の増加や内需の持ち直しなどを背景に、企業の業況感は製造業と非製造業のいずれも改善する見込みだ。


◆大企業製造業は、海外経済の回復が続く中で、為替レートが2016年11月以降に円安方向に振れた効果が続いていることなどがプラスに作用し、3四半期連続の改善になると予想した。大企業非製造業は、消費の持ち直しや企業のIT投資の継続に加え、堅調なインバウンド需要が追い風となり、2四半期連続で改善する見通しだ。


◆2017年度の設備投資計画(全規模全産業)は前年度比+2.1%と、前回(同▲1.3%)から上方修正されると予想する。これまで企業の設備投資計画を大きく修正するような設備投資需要の変化がなかったことから、今回は例年の修正パターン並みの結果になると想定した。総じてみると、短観で見る設備投資計画は底堅い結果となろう。

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