2017年3月全国消費者物価

プラス基調が続く、2016年度は4年ぶりの下落

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2017年04月28日

  • 金融調査部 主任研究員 長内 智
  • 小林 俊介

サマリー

◆2017年3月の全国コアCPI(除く生鮮食品)は前年比+0.2%と3ヶ月連続のプラスとなり、市場コンセンサス(同+0.2%)通りの結果となった。財・サービス別(4分類)の寄与度の変化を見ると、「耐久消費財」と「半耐久消費財」が押し下げに寄与する一方で、エネルギーを含む「コア非耐久消費財(除く生鮮食品)」と「サービス」が押し上げに寄与した。


◆2017年4月の東京都区部コアCPI(中旬速報値)は、前年比▲0.1%(3月:同▲0.4%)と14ヶ月連続のマイナスとなった。4月の東京都区部コアCPIの結果を踏まえると、4月の全国コアCPIは前年比+0.3%と見込まれる。


◆先行きの全国コアCPIの前年比は、基調として見るとプラス幅を緩やかに拡大させるとみている。当面の焦点は、円安と原油・LNG高の持続性だ。現在、2016年11月以降の円安と原油価格上昇の動きが調整局面に入っている点には留意したい。


◆日本銀行は、2017年4月の「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」において、2017年度の全国コアCPIの見通しを前年比+1.5%から同1.4%へと小幅に下方修正したが、足下の経済・物価環境を踏まえると、今後、再度下方修正に迫られる可能性が高いとみている。

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