サマリー
◆2016年10-12月期の実質GDP成長率は前期比年率+1.0%(前期比+0.2%)と、おおむね市場コンセンサス(前期比年率+1.0%、前期比+0.3%)通りの着地となった。需要項目別には、設備投資、住宅投資、政府消費、輸出、輸入が増加した(輸入の増加は成長率に対してはマイナス寄与)一方で、個人消費、公共投資、民間在庫変動が減少に寄与している。総じて堅調な内容であり、デフレーターのプラス幅も拡大に向かっている。しかし中身を見ると内需の前期比寄与度は▲0.0%ptであり、あくまで外需頼みの成長である。また、輸入物価の上昇に起因して交易条件が悪化している点などには注意が必要だ。
◆2016年10-12月期の結果を需要項目別に見ると、個人消費は前期比▲0.0%と、わずかながら4四半期ぶりに減少した。住宅投資は同+0.2%と2017年4月に予定されていた消費税増税前の駆け込み需要などから4四半期連続の増加となったが、その増勢は一服しつつある。設備投資は同+0.9%と一進一退ながら、高水準で推移する企業収益を背景に底堅い動きが続いている。民間在庫変動は前期比寄与度▲0.1%ptと、わずかながらも2四半期連続でマイナス寄与となった。輸出は前期比+2.6%と大幅なプラスを記録し、輸入は同+1.3%となった。この結果、外需の前期比寄与度は+0.2%ptとなった。
◆先行きの日本経済は、基調として緩やかな拡大傾向が続く見込みである。しかし引き続き内需が力強さを欠き、明確なけん引役が存在しない中で下振れリスクを抱えた状況が続く公算が大きい。外需については米国の通商政策の転換を機に、世界経済の先行き不透明感が強まるなど、下振れリスクが浮上している点に警戒が必要だ。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
消費データブック(2026/8/5号)
個社データ・業界統計・JCB消費NOWから消費動向を先取り
2026年08月05日
-
2026年4-6月期GDP(1次速報)予測~前期比年率+2.9%を予想~
個人消費の増加と中東情勢による輸入の減少で3四半期連続プラス
2026年07月31日
-
2026年6月雇用統計
失業率は2.5%と前月から横ばい、就業者数は減少
2026年07月31日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
26年度最低賃金改定のポイント①
高市政権はより緩慢な引上げを容認/改定内容への説明責任が焦点
2026年07月09日
-
中国経済見通し:成長率目標に早くも黄信号
12.5%追加関税の影響は限定的だが、内需が急減速
2026年07月28日
-
令和9年度介護報酬改定に向けた注目点
改革工程に掲げられた重要論点の具体化が求められる
2026年06月29日
-
26年度最低賃金改定のポイント②
全国加重平均は1,160円台(4%前後の引き上げ)に着地か
2026年07月21日
-
骨太方針のポイント① ~危機管理投資・成長投資で高成長を実現できるか
米国を上回る生産性向上ペースが必要で成長戦略の進捗管理も課題
2026年07月13日
26年度最低賃金改定のポイント①
高市政権はより緩慢な引上げを容認/改定内容への説明責任が焦点
2026年07月09日
中国経済見通し:成長率目標に早くも黄信号
12.5%追加関税の影響は限定的だが、内需が急減速
2026年07月28日
令和9年度介護報酬改定に向けた注目点
改革工程に掲げられた重要論点の具体化が求められる
2026年06月29日
26年度最低賃金改定のポイント②
全国加重平均は1,160円台(4%前後の引き上げ)に着地か
2026年07月21日
骨太方針のポイント① ~危機管理投資・成長投資で高成長を実現できるか
米国を上回る生産性向上ペースが必要で成長戦略の進捗管理も課題
2026年07月13日

