サマリー
◆2016年12月の家計調査によると、実質消費支出は季節調整済み前月比▲0.6%と3ヶ月連続で減少した。一方、振れの大きい住居や自動車などを除いた実質消費支出(除く住居等)も同▲2.1%と3ヶ月連続で減少した。
◆実質消費支出の動きを費目別に見ると、「交通・通信」(前月比▲3.7%)、「光熱・水道」(同▲5.4%)、「教養娯楽」(同▲3.3%)などが前月から減少した一方、「教育」(同+23.1%)や「住居」(同+10.7%)が増加した。
◆先行きの個人消費は、消費マインドの改善などが下支えとなっていったん底を打った後、横ばい圏で推移すると見込んでいる。引き続き労働需給がタイトな状況の中、非製造業を中心とした労働需要の高まりから雇用者数が継続的に増加しており、マクロの賃金(=一人当たり賃金×雇用者数)が押し上げられている点が個人消費の押し上げ材料だ。一方、昨秋来の生鮮食品の値上がりを受けて、消費者物価(総合)上昇率が前年比でプラスに転じている点は気がかりだ。物価の影響を考慮した実質賃金が伸び悩めば、家計が財布の紐を緩めていくことは期待しづらいだろう。
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