経済指標の要点(9/17~10/20発表統計分)

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2016年10月21日

  • 前田 和馬
  • デジタルソリューション研究開発部 田中 誠人
  • 小林 俊介

サマリー

◆2016年8月の企業関連の指標を見ると、鉱工業生産指数が前月比+1.3%と2ヶ月ぶりの上昇となったが、出荷が減少し、在庫が小幅ながら増加する形での増産であり、必ずしもポジティブな結果とは言えない。機械受注(船舶・電力を除く民需)は同▲2.2%と3ヶ月ぶりに減少した。製造業・非製造業ともに3ヶ月ぶりに減少したものの、均してみれば、足下の機械受注は底堅く推移していると判断できる。


◆2016年8月の家計関連の指標を見ると、実質消費支出は前月比▲3.7%と2ヶ月ぶりに減少した。このところ緩やかな拡大基調にあった個人消費に弱含みの兆しが出てきたようだ。また、完全失業率(季節調整値)は前月から0.1%pt上昇し3.1%、有効求人倍率(季節調整値)は前月から横ばいの1.37倍であった。労働需給に関しては引き続きタイトな状況にあると言えるだろう。


◆今後発表される経済指標では、11月14日発表の7-9月期GDP(一次速報)に注目したい。7・8月の基礎統計に基づけば、7-9月期の実質GDP成長率(前期比)は底堅く推移する可能性がある。内訳について、特に個人消費や住宅投資、輸出の動向に注目している。個人消費が前期から減少するものの、住宅投資と輸出が下支えする形だ。ただし、9月消費支出の結果次第では、個人消費が一段と落ち込み、実質GDPを押し下げる可能性があり、注意が必要である。

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