経済指標の要点(10/20~11/26発表統計分)

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2015年11月26日

  • 永井 寛之
  • 山口 晃
  • 岡本 佳佑
  • 小林 俊介

サマリー

◆2015年9月の企業関連の指標は、一部に持ち直しの兆しが見られる内容であった。鉱工業生産指数は前月比+1.1%と3ヶ月ぶりに上昇した。機械受注では、民需(船舶・電力除く)が前月比+7.5%となり、4ヶ月ぶりに前月を上回った。第3次産業活動指数は前月比▲0.4%と4ヶ月ぶりに低下した。


◆2015年9月の家計関連の指標を見ると、個人消費が弱い動きを示した。一方、労働需給はタイトな状況が続いていることが確認された。実質消費支出は前月比▲1.3%と減少した。完全失業率(季節調整値)は前月から横ばいの3.4%となった。有効求人倍率(季節調整値)は前月から+0.01pt上昇し1.24倍となった。


◆12月14日に発表される日銀短観では、業況感などの企業マインドの変化を業種別に注意深くチェックしたい。全規模製造業では、9月調査の業況判断DI(最近)において、鉄鋼や非鉄などのセクターは低調であった。これらの業種では市況価格の下落により取り巻く経済環境は厳しい。こうした状況下、同業種の業況感が低調と出るか否かに注目している。一方、全規模非製造業で見ると、9月調査の業況判断DI(最近)では、小売業や宿泊・飲食サービスといった業種の業況感が改善した。実質賃金(前年同月比)の増加傾向が継続し、個人消費を取り巻く環境は良好で、先行きの個人消費を下支えするだろう。これが業況感の改善に寄与すると考えられる。また、インバウンド需要も旺盛でサービス業を中心に追い風が吹いている。こうした状況下で、これらの業種の業況感の改善が継続するか否かは注目である。また、海外需要が最悪期を脱しつつあり、底打ち感が見られる輸出動向の先行きを占う意味でも、海外での製商品需給判断DIが改善するか否かにも注目している。

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