5月貿易統計

回復・拡大傾向が一服

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2015年06月17日

  • 小林 俊介

サマリー

◆2015年5月の貿易統計では、輸出金額は前年比+2.4%と9ヶ月連続の増加となった。しかし増加率は前月(同+8.0%)から大きく低下しており、市場コンセンサス(同+3.0%)を下回った。輸入金額は同▲8.7%と5ヶ月連続の減少となったが、5月には赤字になりやすい季節性もあり貿易収支は▲2,160億円と、2ヶ月連続の赤字であった。


◆輸出金額を価格要因と数量要因に分けて見ると、輸出数量が前年比▲3.8%と3ヶ月ぶりの低下に転じたため、輸出金額の前年比増加率は前月から大きく縮小した。特殊要因の剥落等もあり米国向け輸出が弱含んでおり、季節調整値で見た輸出金額は前月比▲2.7%と2ヶ月連続の減少となった。


◆今月の結果は、総じて海外需要の回復・拡大傾向が、いったん停滞に転じていることを示唆する内容であった。ただし輸出の先行きに関しては、米国景気の堅調な拡大および金融緩和を受けた欧州・アジアの景気底入れを背景に、強弱入り混じりながらも緩やかな増加基調が続くとの見方を維持する。

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