サマリー
◆4月の企業関連の指標は、消費税増税による駆け込み需要や前月の大型受注の反動などから、一時的な落ち込みが見られた。鉱工業生産指数(季節調整値)は、前月比▲2.8%と駆け込み需要の反動で2ヶ月ぶりに低下した。輸出数量指数(大和総研による季節調整値)は同+1.6%と2ヶ月ぶりの上昇となった。機械受注(船舶・電力を除く民需)(季節調整値)は、前月の大型受注の反動で同▲9.1%と2ヶ月ぶりに減少した。先行きは、輸出の増加が生産を下支えする見込みである。企業収益の改善と設備投資の不足感の強まりから、機械受注も増加基調が続くとみている。
◆4月の家計関連の指標は、個人消費では駆け込み需要に伴う反動減の影響が大きく見られ、雇用環境に関しては回復が継続していることが確認された。実質消費支出(除く住居等)は季節調整済み前月比▲13.8%と大きく減少した。完全失業率(季節調整値)は3.6%となり、前月と同水準であった。有効求人倍率(季節調整値)は1.08倍と前月から0.01pt上昇した。現金給与総額は、前年比+0.9%と2ヶ月連続で前年を上回った。先行きは、労働需給のタイト化が賃金上昇をもたらす見込みである。所得環境が改善に向かうことで、個人消費も消費税増税後の反動減から緩やかに増加基調に復するとみている。
◆7月1日に発表される日銀短観では、業況判断DIに注目している。前回増税直後の1997年6月短観では、増税直後にもかかわらず、製造業を中心とする多くの業種で業況判断DIが改善した。増税後でも、業況判断DIが悪化するとは限らない。足下でも、海外需要の拡大が見込まれる業種や、増税の影響を受けていない業種などでは、業況感の改善が見られる可能性がある。こうした業種は、今後の景気拡大を牽引する公算が大きいため、各業種の業況判断の方向感に注視が必要である。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
出産年齢から見るChild Penalty①
就業継続の広がりと先行研究から見える課題
2026年11月06日
-
消費データブック(2026/11/5号)
個社データ・業界統計・JCB消費NOWから消費動向を先取り
2026年11月05日
-
2026年7-9月期GDP(1次速報)予測 ~前期比年率+1.5%を予想~
個人消費は小幅減だった一方、設備投資と輸出が実質GDPを押し上げ
2026年10月30日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本の長期金利、2035年に5%台の可能性
2035年に3.5~4.2%程度で、海外保有拡大で1%pt超の上乗せも
2026年10月16日
-
増える高齢富裕層とその地域分布
高齢富裕層はどこにいるのか、その資産は今後どこへ向かうのか
2026年10月01日
-
金利上昇と「資本コストや株価を意識した経営」
金利上昇による資本コスト上昇は限定的だが引き続き要注視
2026年10月13日
-
預貸率における地域間格差
東京都への一極集中と地域金融機関に期待される対応
2026年10月02日
-
飲食料品の消費減税による消費行動への影響
買い控え・反動増は限定的。外食支援策は実態を見極めた対応を
2026年10月19日
日本の長期金利、2035年に5%台の可能性
2035年に3.5~4.2%程度で、海外保有拡大で1%pt超の上乗せも
2026年10月16日
増える高齢富裕層とその地域分布
高齢富裕層はどこにいるのか、その資産は今後どこへ向かうのか
2026年10月01日
金利上昇と「資本コストや株価を意識した経営」
金利上昇による資本コスト上昇は限定的だが引き続き要注視
2026年10月13日
預貸率における地域間格差
東京都への一極集中と地域金融機関に期待される対応
2026年10月02日
飲食料品の消費減税による消費行動への影響
買い控え・反動増は限定的。外食支援策は実態を見極めた対応を
2026年10月19日

