経済指標の要点(7/24~8/16発表統計分)

RSS

2013年08月19日

  • 経済調査部 シニアエコノミスト 久後 翔太郎
  • 齋藤 勉
  • 田中 豪

サマリー

◆2013年6月の企業関連の指標は、企業部門の改善基調が継続していることを確認する内容であった。鉱工業生産指数(季節調整値)は、前月比▲3.1%と5ヶ月ぶりの低下となった。輸出金額は前年比+7.4%、季節調整値で見ても前月比+1.1%と7ヶ月連続で増加となった。機械受注(船舶・電力を除く民需)(季節調整値)は、前月比▲2.7%と2ヶ月ぶりに減少した。企業関連の指標の先行きは、堅調な外部環境に支えられて、改善基調が継続するとみている。


◆2013年6月の家計関連の指標は、全体としては改善基調が継続していると判断できる内容であった。完全失業率(季節調整値)は、3.9%となり、前月から0.2%pt低下した。有効求人倍率(季節調整値)は0.92倍となり、前月から0.02pt上昇した。実質消費支出は季節調整値で見ると前月比▲2.0%と2ヶ月ぶりの減少、振れの大きい住居や自動車などを除いた実質消費支出(除く住居等)で見ても、同▲1.2%と2ヶ月ぶりの減少となった。家計関連の指標の先行きは、生産と企業収益の回復が、所得・雇用に波及し、消費に関しても堅調な推移が続くとみている。


◆9月9日に発表される4-6月期GDP2次速報は、消費税増税に向けた最終判断の材料となるため、注目度が高い。2次速報値が上方修正されれば、経済成長の強さが再確認され、消費税増税に関する議論は前進するだろう。一方で、下方修正は増税慎重派の意見を台頭させるきっかけともなろう。なお、2次速報では、設備投資、在庫投資、公共投資などの数字が改訂される見込みである。1次速報で大きなマイナス寄与となった在庫投資は、統計的手法による仮置き値が、推計しなおされるため、上方修正の可能性が高い。設備投資は上振れ、下振れ双方の可能性がある。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。