8月雇用統計

雇用環境は単月で見れば改善したが、懸念材料が多い

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2012年09月28日

  • 齋藤 勉

サマリー

◆雇用環境は単月で見れば改善したが、懸念材料が多い:2012年8月の完全失業率(季節調整値)は4.2%となり、前月から0.1%ptの改善となった。また、8月の有効求人倍率は0.83倍と、前月と同水準となった。単月の数字で見れば雇用環境は改善したと言えるが、製造業での就業者数の急激な減少など、懸念材料が多い内容となった。

◆雇用環境は先行き足踏みを見込む:先行きの雇用環境は、足踏み状態で推移すると見込んでいる。これまで非常に緩やかながら改善の続いていた雇用環境は、海外経済の減速に伴って低調に推移するとみられる製造業を中心に下押し圧力が大きく、当面の間足踏み状態が続くだろう。また、10月以降雇用調整助成金の支給要件が厳しく見直されることにも注意が必要だ。

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