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4月貿易統計~貿易収支の赤字基調が継続

欧州リスクが再度高まる

2012年05月23日

金融調査部 主任研究員 長内 智

サマリー

◆【概況】貿易収支の赤字幅が拡大 : 2012年4月の貿易統計は、貿易収支の赤字基調の継続や財政問題を抱えるEU向け輸出の低迷など、先行き不透明感が残る内容であった。4月の輸出金額は前年比+7.9%と市場コンセンサスを下回ったものの、東日本大震災によって昨年に大きく落ち込んだ反動増の影響でプラス幅が拡大した。貿易収支は▲5,203億円と2ヶ月連続の赤字となった。

【地域・品目別動向(名目)】米国向けが好調を維持 : 主要品目別にみると、輸出が増加した業種では、昨年の落ち込みからの反動によって「輸送用機器」が前年比+81.9%と3ヶ月連続で増加し、プラス幅も前月から大きく拡大した点が注目される。他方、アジア地域で景気減速感が強まっていることやEU向けの低迷を受けて、「化学製品」は前年比▲16.1%と8ヶ月連続の減少となった。主要国・地域別の輸出金額は、米国向けが前年比+42.9%、EU向けが同▲1.9%、アジア向けが同▲2.6%となった。

【今後の見通し】EU向け輸出に下振れリスク : 輸出は、横ばい圏での動きがしばらく継続すると考えている。緩やかに景気回復が続く米国向け輸出は底堅く推移する見込みであり、金融緩和政策による景気下支え効果が今後期待される新興国向けの輸出は徐々に改善していくと想定する。他方、5月に実施されたギリシャ総選挙の結果に起因して、欧州債務問題が再燃しているため、低迷が続くEU向け輸出については下振れリスクが高まっている。また、当社の貿易収支の長期見通しでは、貿易赤字は徐々に縮小して、黒字基調に復していくことを見込む。

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