サマリー
◆【1】企業の業況感は横ばい:2012年3月の日銀短観は、企業の業況感が踊り場状況にあり、企業は先行きに対して慎重な姿勢を崩していないことが確認できる内容であった。当社は、日本の景気は東日本大震災に伴う復興需要に支えられて、緩やかに回復すると考えているが、今回の日銀短観の結果を鑑みると、その回復ペースは緩慢なものに留まる可能性があろう。
◆【2】業況判断DI(最近)では製造業が冴えない:2012年3月の日銀短観の大企業・製造業の業況判断DI(最近)は▲4%ptと、2011年12月の日銀短観から横ばいとなり、市場コンセンサスを下回った。大企業・非製造業の業況判断DI(最近)は+5%pt(前回調査比+1pt)と3四半期連続の改善となり、市場コンセンサス(+5%pt)通りの結果となった。
◆【3】業況判断DI(先行き)は依然として慎重な見方:大企業・製造業の業況判断DI(先行き)は▲3%ptとなり、足下の業況判断DI(最近、▲4%pt)から僅かに改善する見込みである。これまで回復を牽引してきた大企業・非製造業の業況判断DI(先行き)は+5%ptと、足下の業況判断DI(最近、+5%pt)から横ばいになる見通しである。
◆【4】2012年度の収益計画は増収経常増益:2012年度の全規模・全産業の売上高計画は前年比+1.4%、経常利益計画は前年比+2.1%となり、増収経常増益が見込まれる。2011年度の企業の収益環境は、(1)東日本大震災、(2)電力供給問題、(3)円高の急進、(4)地デジ化後のテレビ販売の落ち込み、(5)タイの大洪水、によって厳しい状況であった。しかし、2012年度については、これらマイナス材料の大部分がなくなることから、企業業績は改善に転じる公算。
◆【5】2012年度の設備投資計画は例年並み:大企業・全産業の2012年度の設備投資計画(含む土地、除くソフトウェア)は、前年比+0.0%となり、市場コンセンサスを下回った。企業は、3月調査において翌年度の設備投資計画を控えめに回答するという「統計上のクセ」があることを踏まえると、設備投資計画は例年並みのスタートになったと評価できる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2026年1月全国消費者物価
エネルギー価格や食料品価格などの伸び率縮小がコアCPIを押し下げ
2026年02月20日
-
2025年12月機械受注
大型案件による押し上げもあり、船電除く民需は大幅に増加
2026年02月19日
-
2026年1月貿易統計
米国関税の影響続くも、AI・データセンター需要が輸出をけん引
2026年02月18日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
中国によるレアアース・レアメタルの輸出規制は日本の実質GDPを1.3~3.2%下押し
供給制約により、自動車産業を中心に生産活動の低迷が懸念される
2025年12月05日
-
2026年の日本経済見通し
1%弱のプラス成長を見込むも外需下振れや円急落、金利高等に注意
2025年12月23日
-
2026年度税制改正大綱解説
給付付き税額控除導入を含めた所得税の抜本的改革が必要
2025年12月25日
-
中国経済:2025年の回顧と2026年の見通し
不動産不況の継続と消費財購入補助金政策の反動で景気減速へ
2025年12月23日
-
「飲食料品の消費税ゼロ」の経済効果
世帯あたり年8.8万円の負担軽減になり個人消費を0.5兆円押し上げ
2026年01月20日
中国によるレアアース・レアメタルの輸出規制は日本の実質GDPを1.3~3.2%下押し
供給制約により、自動車産業を中心に生産活動の低迷が懸念される
2025年12月05日
2026年の日本経済見通し
1%弱のプラス成長を見込むも外需下振れや円急落、金利高等に注意
2025年12月23日
2026年度税制改正大綱解説
給付付き税額控除導入を含めた所得税の抜本的改革が必要
2025年12月25日
中国経済:2025年の回顧と2026年の見通し
不動産不況の継続と消費財購入補助金政策の反動で景気減速へ
2025年12月23日
「飲食料品の消費税ゼロ」の経済効果
世帯あたり年8.8万円の負担軽減になり個人消費を0.5兆円押し上げ
2026年01月20日

