中国の少子高齢化問題と日本の経験からのインプリケーション

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2012年04月02日

サマリー

中国では1979年から導入されている「一人っ子政策」により、これから少子高齢化が加速する。中国が2桁成長を持続できるのは、人口ボーナス値が高水準を維持する2015年までが一つのめどとなる公算は大きく、その後潜在成長率は低下していこう。特に、現在41歳~45歳の第1次ベビーブーム世代が、退職年齢を迎える2020年以降は要注意である。10年後、20年後を見据えた少子高齢化問題への対応は待ったなしと言える。

日本は少子高齢化「先進国」である。中国が活かし得る日本の経験からのインプリケーションは、(1)少子化の抑制には、「一人っ子政策」の緩和と同時に、未婚化対策が重要である、(2)年金制度については、所得再分配機能と財政の健全性維持を勘案した制度設計が強く求められる、(3)少子高齢時代の街づくりには、「バリアフリー」「コンパクトシティ」の2つの概念が不可欠である、(4)少子高齢化社会における産業政策は、より直接的な高齢者市場の開拓と、より全体的な産業構造の高度化が二本柱であり、前者では「ユニバーサルデザイン」、後者では若い労働力の質的向上が鍵となる——の4点であろう。

大和総研調査季報 2024年秋季号Vol.56

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