2022年11月02日
サマリー
◆米国ウェルスマネジメント業界では、営業員やフィナンシャル・アドバイザーによるモデル・ポートフォリオの活用が進んでいる。ポートフォリオ構築機能を証券会社のCIOオフィスや運用会社などに委託することで、より付加価値の高い業務に注力する流れが強まっている。この背景には、①受託者責任等の要請の強まり、②運用商品やポートフォリオ管理のコモディティ化が挙げられる。ポートフォリオ構築や管理を支援する主体は多様化しており、米国ではモデル・ポートフォリオを巡るエコシステムが発展している。
◆日本でも、独立系アドバイザーや地域金融機関に対して、投資運用業者が投資一任サービス機能を提供する仕組みが出てきている。また、足もとで広がりつつある投資一任サービスのインフラとポートフォリオ構築機能等を切り離す(アンバンドル)動きは、米国でのモデル・ポートフォリオを巡るエコシステムとの類似性をいくつか見出すこともできる。日本での投資一任サービスの先行きを考える上で、米国での動向は参考になりうる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
金融DXで明らかになる有望な金融ビジネスモデル
~問われる稼ぐ力の強化との整合性~『大和総研調査季報』2022年4月春季号(Vol.46)掲載
2022年04月21日
-
米国ウェルスマネジメント業界で盛り上がる「指数のカスタマイズ」
ダイレクト・インデックス(Direct Indexing)の概要と日本への示唆
2022年08月24日
-
SECのブローカー・ディーラー規制の強化
2019年07月02日
同じカテゴリの最新レポート
-
金利上昇下における預金基盤の重要性の高まり
~預金を制するものは金融業界を制す~『大和総研調査季報』2025年夏季号(Vol.59)掲載
2025年07月24日
-
地方銀行の越境再編
その土台にある地域経済圏の再構築
2025年07月11日
-
ステーブルコイン推進へ舵を切る米国(後編)
GENIUS法案は如何にして米ドルの支配的地位を補強するか
2025年06月13日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
-
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
-
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日