サマリー
◆米国のトランプ政権の関税政策(以下、「トランプ関税」)に、日本及び世界経済は翻弄されている。トランプ関税を「国・地域別関税」と「品目別関税」に大別し、実施予定の関税措置(電子機器を含む半導体や医薬品など)も想定すると、国・地域別関税による日本の実質GDPへの影響は最大で▲0.9%程度、(「相互関税」の上乗せ税率が再適用されると同▲2.2%程度)、品目別関税では同▲0.5%程度と試算される。
◆国・地域別に異なる関税率が課されることで、米国内での各国・地域製品の競争力(相対価格)が変化し、代替需要が発生する可能性がある。米国内での日本製品の競争力はとりわけ中国製品に対して高まり、いわゆる「漁夫の利」を得る可能性があるものの、実質GDPへの影響は+0.3%程度にとどまるだろう。トランプ関税による負の影響を一部相殺するにすぎないことには留意が必要だ。
◆当社では相互関税の発表を受け、4月4日に日米欧中の経済見通しを下方修正した。その後、上乗せ税率の適用が90日間停止されたことや、日本など一部の国・地域で対米交渉が始まったことを踏まえ、経済見通しを再び改訂する。予測期間中に上乗せ税率が適用されないなどの想定の下、日本の実質GDP成長率は2025年度で前年比+1.0%、2026年度で同+0.9%と見込んでいる。また、本稿執筆時点で公表された基礎統計の結果を踏まえると、2025年1-3月期の実質GDP成長率は前期比年率でゼロ近傍になりそうだ。
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