大和のクリプトナビ No.2 暗号資産価格のリターン・ボラティリティ・相関の特徴

過去のリターンは、将来のリターンに対する一定の予測力が存在

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  • デジタルソリューション研究開発部 田中 誠人
  • 金融調査部 研究員 森 駿介

サマリー

◆暗号資産価格のリターンに係る実証分析を行ったところ、①過去のリターンが高いと将来のリターンも高くなる傾向(モメンタム効果)が見られた。特に週単位でのモメンタムが一貫した傾向を示している。また、②株式市場のリスクファクターに対する暗号資産リターンの感応度が一定程度存在することが分かった。ただし、その影響度は暗号資産リターン全体から見ると小さく、株式市場との関係性は弱いといえる。

◆暗号資産のボラティリティは、長い目で見ると流動性の改善やリスクヘッジツールの普及、セキュリティ向上などにより低下傾向にある。また、他資産との相関関係は総じて低く、分散投資によるリスク軽減効果が期待される。ただし、近年はリスクオフの局面で株式市場との相関が高くなる傾向があり、注意が必要である。

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