本質が異なる第2のAIJ問題

MRIインターナショナルの顧客資産消失問題

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2013年04月30日

サマリー

◆4月26日、金融庁(関東財務局)は、米金融業者の「MRIインターナショナル」に対し、行政処分を発表した。消失した日本の顧客資産の多くは個人投資家の資金とみられ、AIJ投資顧問の年金資産消失問題(以下、AIJ問題)以降、リスク管理強化を推進していた年金基金等の資金は殆ど存在しないことが推察される。


◆個人投資家への注意喚起や投資教育などの間接的な施策は考えられても、年金基金向けに強化された投資ガイドライン等の規制を施すことには限界があるだろう。今回の問題を受け当局においても、運用機関への直接規制の強化に舵を切らざるを得ず、AIJ問題とは本質が異なる規制強化の道筋が現れる可能性も指摘される。

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