2014年12月30日
サマリー
◆多面的なステークホルダーを意識した長期志向の経営を目指す「サステナビリティ」は従来、ともすれば本業とは別の活動として、企業による社会貢献あるいは慈善行為的な印象と結び付けられて語られてきた。
◆しかし、海外の先進事例を見ると、新たなバリューを生み出すための視点や切り口として、むしろ本業の中心で積極的に活用される例が目立ってきた。そこでは、社会問題の解決などを大義に政府機関など多様なプレイヤーと積極的に連携しながら、新たな時代における新たな秩序を主導で打ち出し、そこでの自社の競争優位をいち早く確かなものにしようという動きが見て取れる。
◆日本企業でもこれまでの活動とは一線を画す取組みが見られるが、取組内容の「迫力」「スケール感」「戦略性」という点でまだ“小粒”との印象はぬぐえない。大局観に立ったビジョンを打ち立て、常識にとらわれない事業モデルを構想・推進できるかが、新たなサステナブル経営確立に向けた分かれ目となる。
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