サマリー
◆高度成長期に整備された水道インフラの老朽化が急速に進行している。災害対策の要請もあって、今後更新投資の拡大が見込まれる一方で、将来の人口減少をうけ更新財源は先細りの見通し。小規模事業体を中心に技術基盤の問題もある。
◆問題解決の方法のひとつとして、窓口業務、料金徴収、水質管理など多岐にわたる業務を一括して民間事業体に委託する「包括委託」がある。とくに施設整備において、包括委託のメリットで特徴的なのは公共発注が民間発注に代わることに伴うコスト削減効果である。ただし、施設整備計画の策定は自治体に残されており、使用材料や、布設経路、工法など施設整備に関して民間の工夫の余地がない。更新計画は官が担い、修繕は民が担うというように、更新と修繕が官民で分断されていることも非効率の原因。
◆そこで、フランスの包括委託手法(アフェルマージュ)に着想を得た「アフェルマージュ式包括委託」を提案する。これは、民間事業者が施設整備計画を策定のうえ、10~20年の包括委託期間にわたって整備工事を担当。同時に、受託料を使用水量に連動した変動制にすることで需要リスクを負担する。更新と修繕を一体的に、かつ長期にわたって担うことでライフサイクルにおける全体最適とコスト効率化を図る。また、受託期間中の減収リスクを負わせることによって、施設整備計画が過大投資に陥るのを予防し、将来の人口減少を踏まえた堅実なものになることが期待される。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
地域で影響を増す外国人の社会増減
コロナ禍後の地域の人口動態
2025年07月24日
-
生成AI利活用に関する技術・サービスの動向
基盤モデルなどの最新動向、および全体像・自社事例を解説
2024年07月01日
-
コロナ禍を踏まえた人口動向
出生動向と若年女性人口の移動から見た地方圏人口の今後
2024年03月28日
関連のサービス
最新のレポート・コラム
-
消費データブック(2026/4/3号)
個社データ・業界統計・JCB消費NOWから消費動向を先取り
2026年04月03日
-
英国でもESG投資と受託者責任の関係は混迷
年金基金のESG投資に関するガイダンス策定を定める法案が否決
2026年04月03日
-
いまさら人には聞けない 大量保有報告(5%ルール)のQ&A 【改訂版】
2024年金商法等改正法(2026年5月1日適用開始)を反映
2026年04月03日
-
非財務情報は企業価値に寄与するか
非財務情報(人的資本・ガバナンス)を用いた企業価値への影響に係る定量的検証
2026年04月03日
-
生成AI時代の仕事を読む「時間差」の視点
2026年04月03日

