2010年4月7日にルノー・日産グループとダイムラーが戦略的協力(資本・業務提携)を行うと発表した。資本提携の内容は、ダイムラーがルノーと日産の株式を3.1%保有し、ルノーと日産はそれぞれダイムラーの株式を1.55%保有するというものである。業務提携の内容は、電気自動車での協業、小型車の共同開発やエンジンの共同開発など幅広い分野に渡っている。お互い出資比率は低いものの、実効性のある業務提携が期待されている。
このように買収や合併といったいわゆるM&Aと異なって、資本・業務提携は緩やかなM&Aとも言える企業行動である。最近では異業種間の資本・業務提携より、上記のような、本来は競合する会社同士の戦略的な提携が目を引いている。
資本・業務提携の最大のメリットとしては、コストとリスクの低減が図れることである。多額の資金が必要な新規事業の開発や事業の将来性が期待されるが、その成功が不確実であるような事業への進出には効果的である。このような場合において、業務提携によりコストを低減させることができ、万一失敗したときにもリスクを軽減することができる。
また、合併などの本格的なM&Aの場合、経営環境の変化でM&A前の状態に戻すとしても容易ではない。その点、資本・業務提携では、その事業がうまくいかなかった場合は、提携の解消という手段で、比較的容易に撤退することが可能であるという点もメリットとして大きい。
一方で、大きなデメリットも存在する。資本・業務提携では提携した会社の背後にある思惑が完全に一致しているケースは少なく、運営していくことはかなり難しい。提携した会社間で、運営上の意見の対立や主導権争いが起こることが少なくない。
とはいえ、将来的には、多額の研究開発費が必要となる医薬品、電機、自動車などの大企業の提携が増加するのではないかと考えられる。資本・業務提携の成功は、会社としての独立性を維持しながら、いかにシナジー効果を享受していくかが大きなポイントとなる。
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