2015年09月07日
サマリー
◆企業を取り巻く経営環境が大きく変化する中、多様な人材を採用する必然性は高まりつつある。しかし、人材供給の主な入り口である新卒採用は多様性とは程遠い現状にあり、学生と企業の相互理解を促す取り組みへの企業ニーズは強い。
◆企業サイドにおける求める人材像の明確化は、抽象的で「求めすぎ」な理想像につながるおそれも否定できない。この「求めすぎ」な理想像を基準とした選考過程は平均点主義を助長し、結果として個性的な人材の採用を難しくすると筆者は考える。
◆求める人材像や採用基準を別々に決めることは得策ではない。むしろ企業のありのままの姿をさらけ出し、様々な社員の姿を見せたうえで、それに合わせ複数の採用基準を設けることを提唱したい。複線化された採用基準は人材多様性を担保するための有効な手段となろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
人的資本経営のリアル~エンゲージメントが未来を拓く
スキルベースの発想で人材育成を加速させよう!
2025年09月11日
-
M&Aによる人事制度統合の検討
検討初期段階で押さえておきたいこと
2025年03月24日
-
なぜ健康経営の成功は睡眠から始まるのか
健康経営の鍵は適正な睡眠とプロフェッショナル意識の醸成にあり
2025年02月26日
関連のサービス
最新のレポート・コラム
-
日本財政の論点 – PB赤字と政府債務対GDP比低下両立の持続性
インフレ状態への移行に伴う一時的な両立であり、その持続性は低い
2025年10月06日
-
世界に広がる政府債務拡大の潮流と経済への影響
大規模経済圏を中心に政府債務対GDP比は閾値の98%超で財政拡張効果は今後一段と低下へ
2025年10月06日
-
議決権行使における取締役兼務数基準の今後
ISSの意見募集結果:「投資家」は積極的だが、会社側には不満
2025年10月03日
-
2025年8月雇用統計
失業率は2.6%に上昇も、均して見れば依然低水準
2025年10月03日
-
米国の株主提案権-奇妙な利用と日本への示唆
2025年10月06日