サマリー
◆逆境はイノベーションの母である。逆境に直面することで変革の必要性は高まる。そして、現状を打破するため、実行性を重視した経営に舵を切る。逃げようがない課題を前にして何かを変えなければならない状況にある「逆境」は、イノベーションを生み出すチャンスといえよう。
◆本稿では、人口減少をはじめとした逆境にさらされる地域鉄道の経営改善への取組みを題材に、逆境下のイノベーション創出について考察する。ユニークな取組みを実施している地域鉄道として、和歌山電鐵、水間鉄道、わたらせ渓谷鐡道の事例を紹介し、これらの成功モデルから逆境イノベーションのポイントを明らかにしてみたい。
◆今回の事例で着眼すべき点は、事業者としての存在価値を、「レール上を走る輸送事業者」から「沿線住民や観光利用者を巻き込んだ地域のプロモーション媒体」へとリポジショニングした点にある。そして、地域資源活用戦略「無いものねだりより、あるもの探し」、「経営者の革新志向と優れた感性、周囲を動かすリーダーシップ」、「地域企業や沿線住民、地方自治体、ボランティア等の支援」が逆境下で効果を上げるための重要なポイントになる。
◆逆境下におけるイノベーション創出のポイントは、経営者の力量と企業の内面的な強さに他ならない。そして、創造主たるイノベーターには、新たな事業にチャレンジし続ける「起業家精神」と、逆境にも負けない「ハングリー精神」、そして優れたアイデアを生み出す「感性」が不可欠であろう。経営者がリーダーシップを発揮し、周囲を巻き込みながら全社員が一丸となって逆境に立ち向かうことで、経営改善につなげていくことが肝要だ。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
コングロマリット・ディスカウントの再考察
~日本企業の定量分析から読み解く、人的資本経営と企業価値の新関係~
2026年03月25日
-
シリーズ 民間企業の農業参入を考える
第3回 生産基盤としての耕地(1)
2025年09月05日
-
シリーズ 民間企業の農業参入を考える
第2回 異業種参入:持続的成長をもたらす戦略とは
2025年03月11日
関連のサービス
最新のレポート・コラム
よく読まれているコンサルティングレポート
-
アクティビスト投資家の近時動向(2026年4月)
「変質」しつつあるアクティビスト投資家。「対話」から「交渉」に。
2026年04月09日
-
なぜ中国企業は中期経営計画を開示しないのか
—制度・市場・経営環境から読み解く、中国企業の情報開示メカニズム—
2026年05月22日
-
中国の「上に政策あり、下に対策あり」現象をどう見るべきか
2010年11月01日
-
非財務情報は企業価値に寄与するか
非財務情報(人的資本・ガバナンス)を用いた企業価値への影響に係る定量的検証
2026年04月03日
-
買収対応方針(買収防衛策)の近時動向(2025年9月版)
「同意なき買収」時代における買収対応方針の効果と限界
2025年09月24日
アクティビスト投資家の近時動向(2026年4月)
「変質」しつつあるアクティビスト投資家。「対話」から「交渉」に。
2026年04月09日
なぜ中国企業は中期経営計画を開示しないのか
—制度・市場・経営環境から読み解く、中国企業の情報開示メカニズム—
2026年05月22日
中国の「上に政策あり、下に対策あり」現象をどう見るべきか
2010年11月01日
非財務情報は企業価値に寄与するか
非財務情報(人的資本・ガバナンス)を用いた企業価値への影響に係る定量的検証
2026年04月03日
買収対応方針(買収防衛策)の近時動向(2025年9月版)
「同意なき買収」時代における買収対応方針の効果と限界
2025年09月24日

