高市政権が注目する「社会保障負担率」の2040年度までの見通し

骨太方針の27年度目標は景気次第、中長期は医療・介護改革が重要

RSS

2026年10月28日

サマリー

◆高市早苗政権が2026年7月に閣議決定した「骨太方針2026」では、2027年度の社会保障負担率が2025年度と比較して上昇しないよう取り組むほか、中長期的な社会保障負担率の目標を検討するとした。社会保障負担率は、景気による国民所得の動きに左右されやすいため、単年度の状況だけで改革の効果を評価することは難しく、中長期的に負担率が安定するかどうかがより重要になる。

◆社会保障負担率は年金・医療・介護の給付増などを背景に上昇基調が続いた。ただし、年金については保険料率の引き上げが2017年9月に終了し、2012年度ごろからは労働力人口の伸びが医療・介護の負担増を抑制した。このため、社会保障負担率は2004~12年度は年平均+0.44%ptの急ピッチで上昇したが、2012~18年度は同+0.13%pt、2018~24年度は同+0.11%ptと緩やかになった。

◆当社の中期マクロモデルによる経済見通しを用いて試算したところ、2024~28年度は社会保障負担率の変化幅は年平均+0.03%ptにとどまる一方、労働力人口がピークアウトすることにより、2028~40年度は同+0.13%ptと再び拡大する見通しだ。

◆中長期的に社会保障負担率を維持、または引き下げていくためには、医療・介護の給付の伸びを抑制する必要がある。その際、社会保障制度が果たす機能を損なわないようにするためには、医療・介護サービスへの影響を見極めながら必要な制度改革を着実に進めることが重要だ。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。

執筆者のおすすめレポート

同じカテゴリの最新レポート