消費から考える高齢者の窓口負担

所得だけでは見えない70~74歳と75歳以上の負担能力

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2026年10月28日

サマリー

◆70歳以上の医療費の窓口負担について、現役世代の負担を抑制しつつ、年齢によらない真に公平な応能負担を実現するための見直しが進められている。今後、負担割合の区切りとなる所得基準や年齢区分について、公費負担の在り方も含めて総合的に検討される。

◆2026年5月には、確定申告の有無にかかわらず、上場株式の配当等を後期高齢者医療制度の負担判定に反映する法改正が行われた。確定申告の有無によって生じていた、高齢者間の負担の不公平を是正する重要な見直しである。一方、金融所得には、老後の生活費を継続的に補うものや、資産売却に伴う一時的な所得もある。制度設計に当たっては、金融所得の規模だけでなく、その性質にも配慮する必要があるだろう。

◆70歳以上の世帯が医療費の追加負担を受け止める余地を探るため、「令和6年全国家計構造調査」に基づき、消費の構造を分析した。選択的支出の割合と金額は、収入階級が上がるほどおおむね増加する一方、窓口負担割合の引き上げによる追加負担を受け止める余地が、収入の上昇に伴って一貫して拡大するとは限らないことが示唆された。

◆また、医療関連支出の選択的支出に対する比率は、多くの収入階級で75歳以上が70~74歳を上回り、75歳以上では追加負担を受け止める際の負荷が相対的に大きいことがうかがえる。窓口負担の見直しでは、所得基準に加え、年齢階級別の消費構造や医療ニーズの違いも踏まえることが、実効性と公平性を高める鍵となる。

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