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令和時代の格差問題への処方箋

~ベーシック・インカムの観点から~『大和総研調査季報』 2020 年春季号(Vol.38)掲載

2020年04月21日

経済調査部 シニアエコノミスト 神田 慶司

金融調査部 研究員 中村 文香

政策調査部 主任研究員 神尾 篤史

サマリー

平成の30 年間を振り返ると、生産性や所得水準は着実に向上した半面、所得格差の拡大は以前にも増して重要課題となった。「日本型平等社会」にほころびが生じたことで、セーフティネットの網の目から漏れ落ちる人が増加し、相対的にも絶対的にも貧困率が上昇するなど、他の先進国では見られない形で所得格差が拡大している。

こうした中、ベーシック・インカム(BI)への関心が国内外で高まっている。これは全国民に定期的かつ一律に現金給付する仕組みだ。BIには、①救済すべき人の取りこぼしがない、②働き方の多様化や急な収入減・失業にも対応できる、③各人が申請しなくとも給付を受けられる—といった利点がある。だが巨額の財源確保が必要で、貧困対策としては費用対効果が悪い。

人口減少と超高齢化が進む日本では、社会的弱者に重点的に給付する視点が一層求められている。BIを導入するのではなく、既存の制度をベースにBIの利点をうまく取り込むことで、悉皆性の高いセーフティネット機能を備えた税・社会保障制度を目指すべきだ。そのためには、金融口座とマイナンバーの紐づけや、多数の制度の情報連携などが課題となろう。

大和総研調査季報 2020年7月夏季号Vol.39

大和総研 調査本部が、その長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、経済、金融資本市場及びそれらを取り巻く制度を含め、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。

大和総研調査季報(最新号はこちら)

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