サマリー
団塊の世代が後期高齢者となる2025年を見据え、地域の実情に合わせた医療提供体制を構築するための計画である地域医療構想が実行段階に入った。地域医療構想では、医療機関の自主的な取り組みや関係者間の協議により、全国341の構想区域ごとに病床機能の分化・連携が進められる。
2025年の病床数は全国で2015年比6%の削減が必要とされる見通しだが、地域別に見た将来像は大きく異なる。都市部では病床数を増やす必要がある一方、約8割の構想区域では削減する必要があり、そのおよそ半分は20%超の削減が見込まれる。機械的な試算ではあるが、地域医療構想の実現により、入院医療費は5~10%程度抑制されると推計される。
地域医療構想を実現するための主な課題としては、①病床機能報告制度の改善、②病床機能の分化・連携を着実に進めるための制度対応、③約30万人と見込まれる慢性期の入院患者の新たな受け皿の確保——の3つが挙げられる。
人口減少・高齢化は長期に進展すると見込まれ、医療需要はそれを反映して変化するだろう。地域医療構想の枠組みを制度インフラとして定着させ、2025年以降も医療提供体制を定期的に見直していくべきである。

大和総研調査本部が長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
二次医療圏の再編はなぜ進まないのか
過去の医療計画の傾向分析から得られる示唆
2017年10月31日
-
都道府県が地域医療構想を実現するために設定した構想区域の特徴
47都道府県の地域医療構想の情報を整理・分析
2017年10月17日
同じカテゴリの最新レポート
-
最高路線価に読む立地の収益力
大都市圏への集中と、商業拠点から観光拠点への主役交代の兆し
2026年07月23日
-
資金繰り支援から企業価値向上支援へ
地域金融機関に求められる企業支援の在り方
2026年07月21日
-
学校施設の廃止後の課題
廃校施設活用状況実態調査の分析
2026年06月30日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
26年度最低賃金改定のポイント①
高市政権はより緩慢な引上げを容認/改定内容への説明責任が焦点
2026年07月09日
-
中国経済見通し:成長率目標に早くも黄信号
12.5%追加関税の影響は限定的だが、内需が急減速
2026年07月28日
-
令和9年度介護報酬改定に向けた注目点
改革工程に掲げられた重要論点の具体化が求められる
2026年06月29日
-
26年度最低賃金改定のポイント②
全国加重平均は1,160円台(4%前後の引き上げ)に着地か
2026年07月21日
-
骨太方針のポイント① ~危機管理投資・成長投資で高成長を実現できるか
米国を上回る生産性向上ペースが必要で成長戦略の進捗管理も課題
2026年07月13日
26年度最低賃金改定のポイント①
高市政権はより緩慢な引上げを容認/改定内容への説明責任が焦点
2026年07月09日
中国経済見通し:成長率目標に早くも黄信号
12.5%追加関税の影響は限定的だが、内需が急減速
2026年07月28日
令和9年度介護報酬改定に向けた注目点
改革工程に掲げられた重要論点の具体化が求められる
2026年06月29日
26年度最低賃金改定のポイント②
全国加重平均は1,160円台(4%前後の引き上げ)に着地か
2026年07月21日
骨太方針のポイント① ~危機管理投資・成長投資で高成長を実現できるか
米国を上回る生産性向上ペースが必要で成長戦略の進捗管理も課題
2026年07月13日

