2019年02月19日
サマリー
◆外部環境の変化に対応していくために、「ダイバーシティ経営」推進の重要性が増している。企業がダイバーシティ経営を進める上での重要な要素として「中長期的・継続的な実施と、経営陣によるコミットメント」や「経営戦略への取り組み」等が挙げられる。
◆本稿では、企業のダイバーシティに関する基本理念や経営方針がどのように変化してきたのか、さらに女性活躍に積極的な企業の経営方針の特徴について分析した。企業の基本理念や経営方針、トップコミットメント等のテキストデータの情報から、TF-IDF分析の手法を用いて重要単語を抽出した。
◆2012年から2018年の間を通じて、「ダイバーシティ推進のための基本理念」においては、「人材」や「能力」が重要な単語として抽出された。一方、「ダイバーシティ経営の尊重のための経営方針やトップコミットメント」においては、「人材」や「ダイバーシティ」が重要単語であることは一貫して変化がなく、近年「女性」という言葉が重要性を増している。
◆女性管理職比率が相対的に高い企業群において重要度が高い単語は、女性活躍を積極的に進める前向きな姿勢を汲み取れる単語となっている。すなわち、現実に女性管理職比率が高い企業では、経営方針やトップコミットメントについて、女性活躍に積極的な姿勢や具体的な意欲、行動をうかがうことができる単語が重要度の高いものとして抽出された。
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