2018年10月23日
サマリー
SDGsにおいて、ジェンダー平等と女性のエンパワーメントが目標の一つに掲げられている。しかし、日本の女性の労働参加は進んだものの男女間の賃金格差は国際的に見ても依然として大きい。管理職等に占める女性割合などに見る女性活躍の状況について、日本は諸外国から後れを取っている。
男女間の賃金格差は主にフルタイムの正規雇用者間で大きく、勤続年数や職階の男女差によって説明できるとされてきた。男女間の賃金格差は、特に2007年から17年の10年間で縮小したが、その背景には男女雇用機会均等法の改正だけでなく、世界的金融危機の影響で男性賃金が低下したこともある。
男女間の賃金格差の現状は産業ごとに大きく特徴が異なり、格差が縮小した産業も少なくない。今後、男女間の賃金格差を解消していくためには、国や自治体が各産業の特徴に応じた政策をさらに推進することや、企業が男女間の賃金格差の状況を踏まえて女性活躍推進法に基づく事業主行動計画を遂行すること、さらには長期雇用を前提とした日本的雇用慣行の中での配置転換や育成の男女差、女性の意識向上を図っていくことなどが求められる。
大和総研調査本部が長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
ISSBがIFRS S2の改正案を公表
温室効果ガス排出量の測定・開示に関する要件を一部緩和
2025年05月16日
-
年金基金のESG投資を実質禁止へ:米労働省
バイデン政権時代に制定されたESG投資促進の規則は廃止へ
2025年05月14日
-
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
「相互関税」による日本の実質GDPへの影響は最大で▲1.8%
日本に対する相互関税率は24%と想定外に高い水準
2025年04月03日
-
「相互関税」を受け、日米欧中の経済見通しを下方修正
2025年の実質GDP成長率見通しを0.4~0.6%pt引き下げ
2025年04月04日
-
米国による25%の自動車関税引き上げが日本経済に与える影響
日本の実質GDPを0.36%押し下げる可能性
2025年03月27日
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
-
日本経済見通し:2025年3月
トランプ関税で不確実性高まる中、25年の春闘賃上げ率は前年超えへ
2025年03月24日
「相互関税」による日本の実質GDPへの影響は最大で▲1.8%
日本に対する相互関税率は24%と想定外に高い水準
2025年04月03日
「相互関税」を受け、日米欧中の経済見通しを下方修正
2025年の実質GDP成長率見通しを0.4~0.6%pt引き下げ
2025年04月04日
米国による25%の自動車関税引き上げが日本経済に与える影響
日本の実質GDPを0.36%押し下げる可能性
2025年03月27日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
日本経済見通し:2025年3月
トランプ関税で不確実性高まる中、25年の春闘賃上げ率は前年超えへ
2025年03月24日