パーシャルスピンオフ税制の動向

適用期限の延長、初の事業再編計画の認定など

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2024年07月05日

サマリー

◆スピンオフは「自社内の特定の事業部門又は子会社を切り出し、独立させる」組織再編である。スピンオフの実施によって、①経営の独立、②資本の独立、③上場の独立という3つの効果が期待できる。

◆パーシャルスピンオフとは、スピンオフのうち独立した企業の一部持分を元親会社(スピンオフ実施法人)に残す場合を指す。独立会社が元親会社の知財やノウハウ、ブランドを活用する場合などに利用しやすい等のメリットがある。

◆パーシャルスピンオフ税制は、税制適格となったパーシャルスピンオフについて、株式分配に係る譲渡損益やみなし配当を非課税とする措置であり、2023年度税制改正で創設され、2024年度税制改正で適用期限が延長された。税制適格となるには、元親会社が保有する完全子会社の株式が20%未満であることや事業再編計画の認定を受けることといった要件を満たすことが求められる。

◆2024年2月13日に、ソニーグループ株式会社による事業再編計画がパーシャルスピンオフに係る事業再編計画として初めて経済産業省に認定された。今後、パーシャルスピンオフの件数が増加することが期待される。

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