「事業性融資の推進等に関する法律案」概要

事業性に着目した企業価値担保権の創設

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サマリー

◆2024年3月15日に「事業性融資の推進等に関する法律案」が国会に提出された。本稿では、法案の内容及び法案によって創設される企業価値担保権の概要について解説する。

◆スタートアップ等への資金供給の観点から、不動産などの有形資産の担保や経営者保証を必要としない融資実務の必要性が指摘されてきた。金融審議会「事業性に着目した融資実務を支える制度のあり方等に関するワーキング・グループ」が設置され議論が行われ、新たな担保権の論点が整理された。

◆法案では、無形資産や将来キャッシュフローを含む「総財産」を担保とする企業価値担保権が創設される。企業価値担保権の担保権者となれるのは新たに創設される信託業の免許を受けた企業価値担保権信託会社のみである。

◆事業者や金融機関による企業価値担保権の利用を促進するため、認定事業性融資推進支援機関制度が導入される。加えて、事業性融資の促進のため、金融庁に事業性融資推進本部が設置される。

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