サマリー
◆2017年12月14日、自由民主党・公明党は「平成30年度税制改正大綱」(大綱)を公表した。本稿は、事業承継税制等、大綱における相続税・贈与税等に関する改正について解説する。
◆課税を軽減する方向での見直しとして、事業承継税制について、中小企業の代替わりを促進するため、要件を大幅に拡充した「特例制度」が10年間限定で創設されることとなった。特例制度では、全ての非上場株式について贈与税・相続税が全額猶予されるほか、事業承継後に経営が悪化したため株式を譲渡した場合でも一定の猶予が受けられる等、後継者の将来リスクを軽減する措置等が盛り込まれている。
◆他方、課税を強化する方向での見直しとして、一般社団法人・一般財団法人を利用した課税逃れに対処するため、同族役員が一定以上いる一般社団法人等の理事の相続について法人に相続税が課税されることとされている。また、いわゆる「家なき子」を利用した小規模宅地等の特例の利用による課税逃れ対策として適用要件が厳格化されている。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
2018年度税制改正で所得税はどう変わるか
平成30年度税制改正大綱解説⑤-所得税編
2018年01月26日
-
外国税額控除の改正で投信のリターンが改善する
平成30年度税制改正大綱解説③-証券・金融税制編
2017年12月29日
-
スピンオフ税制の適格要件の緩和等
平成30年度税制改正大綱解説②—組織再編税制編
2017年12月26日
-
法人税改正で3%賃上げは実現するか
平成30年度税制改正大綱解説①-法人税編
2017年12月21日
同じカテゴリの最新レポート
-
道府県民税利子割への清算制度導入を提言
令和8年度税制改正での実現は不透明な情勢
2025年08月13日
-
2012~2024年の家計実質可処分所得の推計
2024年は実質賃金増と定額減税で実質可処分所得が増加
2025年04月11日
-
「103万円の壁」与党修正案の家計とマクロ経済への影響試算(第5版)
所得税の課税最低限を160万円まで引き上げる与党修正案を分析
2025年03月19日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
のれんの償却・非償却に関する議論の展望
2025年07月07日
-
日本経済見通し:2025年7月
25年の賃上げは「広がり」の面でも改善/最低賃金の目安は6%程度か
2025年07月22日
-
対日相互関税率は15%で決着へ-実質GDPへの影響は短期で▲0.5%、中期で▲1.2%-
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.2%減少
2025年07月23日
-
新たな相互関税率の適用で日本の実質GDPは短期で0.8%、中期で1.9%減少
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.7%減少
2025年07月08日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
のれんの償却・非償却に関する議論の展望
2025年07月07日
日本経済見通し:2025年7月
25年の賃上げは「広がり」の面でも改善/最低賃金の目安は6%程度か
2025年07月22日
対日相互関税率は15%で決着へ-実質GDPへの影響は短期で▲0.5%、中期で▲1.2%-
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.2%減少
2025年07月23日
新たな相互関税率の適用で日本の実質GDPは短期で0.8%、中期で1.9%減少
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.7%減少
2025年07月08日