事業承継税制の拡充・資産税逃れ対策等

平成30年度税制改正大綱解説④—相続関係税制編

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2018年01月26日

  • 小林 章子

サマリー

◆2017年12月14日、自由民主党・公明党は「平成30年度税制改正大綱」(大綱)を公表した。本稿は、事業承継税制等、大綱における相続税・贈与税等に関する改正について解説する。


◆課税を軽減する方向での見直しとして、事業承継税制について、中小企業の代替わりを促進するため、要件を大幅に拡充した「特例制度」が10年間限定で創設されることとなった。特例制度では、全ての非上場株式について贈与税・相続税が全額猶予されるほか、事業承継後に経営が悪化したため株式を譲渡した場合でも一定の猶予が受けられる等、後継者の将来リスクを軽減する措置等が盛り込まれている。


◆他方、課税を強化する方向での見直しとして、一般社団法人・一般財団法人を利用した課税逃れに対処するため、同族役員が一定以上いる一般社団法人等の理事の相続について法人に相続税が課税されることとされている。また、いわゆる「家なき子」を利用した小規模宅地等の特例の利用による課税逃れ対策として適用要件が厳格化されている。

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