サマリー
◆2014年8月29日、金融庁は「平成27年度税制改正要望項目」を発表した。本稿は金融庁の税制改正要望のうち、NISA関連以外の項目について解説する。
◆金融庁は、金融所得課税の一体化を要望している。具体的には、金融商品に係る損益通算範囲をデリバティブ取引・預貯金等についても拡大することを要望している。
◆金融庁は、教育資金一括贈与非課税制度の拡充を要望している。具体的には、制度を恒久化し、贈与対象者について直系卑属(子・孫など)以外を含めるようにし、教育資金として認められる使途も拡大するよう要望している。
◆政府税制調査会の報告書で、法人税率引き下げの代替財源の候補の一つとして受取配当等の益金不算入制度の縮小が挙げられている。配当は税引後の利益から支払われるものであるため、法人の受取配当に課税すると、法人段階で同一の利益に法人税が二重に課税されてしまう。受取配当等の益金不算入制度はこの二重課税を調整する制度である。金融庁は、益金不算入制度の縮小は、更なる二重課税につながり、不合理だとしている。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
教育資金の一括贈与非課税措置の解説3
政省令・通達等の改正を踏まえた解説
2013年09月24日
-
株式課税強化提案の問題点
配当・譲渡益課税強化は株価下押し要因となりうる
2014年05月20日
-
金融庁、ジュニアNISA創設を要望
平成27年度税制改正要望①~金融庁(NISA関連)
2014年09月19日
同じカテゴリの最新レポート
-
「年収の壁」とされる課税最低限の引上げはどのように行うべきか
基礎控除の引上げよりも、給付付き税額控除が適切な方法
2025年12月02日
-
日本維新の会が掲げる税制関連施策
所得税インフレ調整・給付付き税額控除の議論が加速する見込み
2025年10月28日
-
若年層の実質可処分所得の超長期推計
20~34歳未婚男女につき、1980~2024年の45年間を推計
2025年10月20日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年10月
高市・自維連立政権の下で経済成長は加速するか
2025年10月22日
-
非財務情報と企業価値の連関をいかに示すか
定量分析の事例調査で明らかになった課題と今後の期待
2025年11月20日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
第227回日本経済予測
高市新政権が掲げる「強い経済」、実現の鍵は?①実質賃金引き上げ、②給付付き税額控除の在り方、を検証
2025年11月21日
-
グラス・ルイスの議決権行使助言が大変化
標準的な助言基準を廃し、顧客ごとのカスタマイズを徹底
2025年10月31日
日本経済見通し:2025年10月
高市・自維連立政権の下で経済成長は加速するか
2025年10月22日
非財務情報と企業価値の連関をいかに示すか
定量分析の事例調査で明らかになった課題と今後の期待
2025年11月20日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
第227回日本経済予測
高市新政権が掲げる「強い経済」、実現の鍵は?①実質賃金引き上げ、②給付付き税額控除の在り方、を検証
2025年11月21日
グラス・ルイスの議決権行使助言が大変化
標準的な助言基準を廃し、顧客ごとのカスタマイズを徹底
2025年10月31日

