2023年07月21日
サマリー
◆2023年6月5日に金融審議会「公開買付制度・大量保有報告制度等ワーキング・グループ」の第1回会合が開催された。大量保有報告制度とは、上場会社等の株券等保有割合が5%超となった者に大量保有報告書の提出を義務付ける制度であり、その保有割合が5%超となった日から5営業日以内に提出する必要がある(一般報告)。なお、提出の遅延や不提出は制裁の対象となる。
◆「2022年6月1日~2023年5月31日」の1年間には866件の大量保有報告書(一般報告としてEDINETに提出および掲載された報告書958件のうち、表紙が「大量保有報告書」、「大量保有報告」または「大量報告書」であるもの)が提出されており、うち137件に提出遅延が生じていた。特に有価証券報告書等の提出義務者以外の内国法人・組合(47件)と個人(62件)において提出遅延の発生が目立った。これら2主体以外の提出主体においても、一定数の遅延が発生していた。
◆提出までの所要営業日数を見ると、100営業日を超える遅延は29件であった。制裁の強化のほか、制度の周知なども同時に進めるといったバランスの取れた解決策を導く議論が行われることが期待される。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
金融審議会、次の重要テーマ 公開買付け、大量保有報告見直しの論点
2023年04月17日
-
実質株主の確認と大量保有報告書
2023年04月24日
-
いまさら人には聞けない 大量保有報告(5%ルール)のQ&A
2013年03月11日
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
「103万円の壁」与党改正案の家計とマクロ経済への影響試算(第4版)
71万人が労働時間を延ばし、個人消費は年0.5兆円拡大の見込み
2025年01月21日
-
欧州サイバーレジリエンス法(EU Cyber Resilience Act)の発効
DIR SOC Quarterly vol.10 2025 winter 掲載
2025年01月21日
-
2024年11月機械受注
民需(船電除く)は2カ月連続で増加し、政府の基調判断は上方修正
2025年01月20日
-
米銀大手のビットコイン現物ETF保有、急増
【2024年推移】ヘッジファンドに迫る、約$7.2億保有の大手銀行あり
2025年01月20日
-
ソーシャルメディアは経済への影響力を増すか?
2025年01月20日
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
-
「トランプ関税2.0」による日本経済への影響試算
中間財の出荷減や米国等の景気悪化で日本の実質GDPは最大▲1.4%
2024年12月18日
-
課税最低限「103万円の壁」引上げによる家計と財政への影響試算(第3版)
様々な物価・賃金指標を用いる案および住民税分離案を検証
2024年12月04日
-
長寿化で増える認知症者の金融資産残高の将来推計
金融犯罪を含む金融面の課題やリスクへの対応も重要
2024年12月20日
-
石破政権の看板政策「2020年代に最低賃金1500円」は達成可能?
極めて達成困難な目標で、地方経済や中小企業に過重な負担の恐れ
2024年10月17日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
「トランプ関税2.0」による日本経済への影響試算
中間財の出荷減や米国等の景気悪化で日本の実質GDPは最大▲1.4%
2024年12月18日
課税最低限「103万円の壁」引上げによる家計と財政への影響試算(第3版)
様々な物価・賃金指標を用いる案および住民税分離案を検証
2024年12月04日
長寿化で増える認知症者の金融資産残高の将来推計
金融犯罪を含む金融面の課題やリスクへの対応も重要
2024年12月20日
石破政権の看板政策「2020年代に最低賃金1500円」は達成可能?
極めて達成困難な目標で、地方経済や中小企業に過重な負担の恐れ
2024年10月17日