2019年12月27日
サマリー
◆上場している地域銀行(地方銀行、第二地方銀行、及びこれらの持株会社(計73行))では、平均71.3銘柄の政策保有株式(上場株式のみ)が保有されている。しかし、地域銀行によってばらつきが見られる。また、株式数が減少している銘柄は平均5.9銘柄(増加している銘柄は平均0.5銘柄)と縮減が少しずつ進んでいる様子がうかがえる。
◆政策保有株式の保有目的としては、取引関係の維持・強化等、地域社会の発展・貢献等、企業価値向上などを挙げるところが多い。しかし、抽象的でパターン化された記述が多いという傾向が認められた。
◆政策保有株式の定量的な保有効果については、ほとんどの地域銀行ではあまり具体的な開示をしていない。しかし、具体的な数値基準を設け、銘柄ごとに基準を達成しているか、数値とともに示しているという先進的な開示を行っている地域銀行もある。このように、開示のばらつきが見られる。
◆確かに政策保有株式の縮減は進んでいるものの、縮減している銘柄は、保有銘柄全体の1割にも満たない。また、開示もわかりやすいものであるとはいいがたいように思われる。今後、さらなる縮減と開示の充実が進んでいくことが期待されている。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
改正開示府令の施行(政策保有株式について)
開示項目、開示対象銘柄ともに範囲が拡大
2019年02月05日
-
地域銀行の役員報酬の姿
業績連動報酬の割合は約2割、指標には当期純利益を使用
2019年09月05日
同じカテゴリの最新レポート
-
フィンフルエンサーの規制と取締りに関する海外動向
国境を越えた規制協力、フィンフルエンサー向け教育や認証制度の必要性
2025年11月19日
-
政策保有株式の縮減状況~2024年版~
保有銘柄数・保有額は前年比で2割程度の縮減
2025年11月11日
-
政策保有株式の開示に関する課題と展望
TOPIX500採用銘柄の開示状況から得られる示唆
2025年10月29日

