2019年04月11日
サマリー
平成の30 年間で、証券市場・金融市場の制度改革は大幅に進んだ。しかし、積み残された「宿題」はあり、新しく出てきた課題(チャレンジ)もある。新しい時代ではこれらへの対応が求められる。本稿では、これらの課題を、高齢・長寿化、多様化、情報・技術、グローバル化、金融イノベーション、地方創生、ESG(SDGs)という社会的な課題との関連も示しながら概観する。
「令和」の会社法・金融商品取引法の課題として、会社法・金融商品取引法の融合、ソフト・ローとハード・ローの使い分け、M&A法制(TOB・独禁法)、投資者保護と消費者保護、高齢者保護、業者規制のフラット化・分業化、AIの利用者責任、実質株主問題、課徴金制度、社債市場活性化を取り上げる。
金融規制ではバーゼル規制、保険会社の規制、LIBOR廃止問題、会計・開示・監査ではリース・財務諸表・のれん、開示(非財務情報・四半期等)、監査(KAM、IAASBの取り組み)、税制では金融所得課税、資産形成優遇制度、相続税、法人税、所得税全般、マイナンバー制度の活用、情報法制では情報の金融商品化やプラットフォーマー規制、仮想通貨、キャッシュレス化についても言及する。

大和総研調査本部が長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
開示府令の改正案が公表(2026年から一部適用)
有価証券報告書のサステナビリティ情報、人的資本、総会前開示に関する改正案
2025年12月10日
-
フィンフルエンサーの規制と取締りに関する海外動向
国境を越えた規制協力、フィンフルエンサー向け教育や認証制度の必要性
2025年11月19日
-
政策保有株式の縮減状況~2024年版~
保有銘柄数・保有額は前年比で2割程度の縮減
2025年11月11日
最新のレポート・コラム
-
「責任ある積極財政」下で進む長期金利上昇・円安の背景と財政・金融政策への示唆
「低水準の政策金利見通し」「供給制約下での財政拡張」が円安促進
2025年12月11日
-
FOMC 3会合連続で0.25%の利下げを決定
2026年は合計0.25%ptの利下げ予想も、不確定要素は多い
2025年12月11日
-
大和のクリプトナビ No.5 2025年10月以降のビットコイン急落の背景
ピークから最大35%下落。相場を支えた主体の買い鈍化等が背景か
2025年12月10日
-
開示府令の改正案が公表(2026年から一部適用)
有価証券報告書のサステナビリティ情報、人的資本、総会前開示に関する改正案
2025年12月10日
-
日中関係悪化、中国は自国経済・社会の不安定化回避を優先か
2025年12月10日
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年10月
高市・自維連立政権の下で経済成長は加速するか
2025年10月22日
-
非財務情報と企業価値の連関をいかに示すか
定量分析の事例調査で明らかになった課題と今後の期待
2025年11月20日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
第227回日本経済予測
高市新政権が掲げる「強い経済」、実現の鍵は?①実質賃金引き上げ、②給付付き税額控除の在り方、を検証
2025年11月21日
-
グラス・ルイスの議決権行使助言が大変化
標準的な助言基準を廃し、顧客ごとのカスタマイズを徹底
2025年10月31日
日本経済見通し:2025年10月
高市・自維連立政権の下で経済成長は加速するか
2025年10月22日
非財務情報と企業価値の連関をいかに示すか
定量分析の事例調査で明らかになった課題と今後の期待
2025年11月20日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
第227回日本経済予測
高市新政権が掲げる「強い経済」、実現の鍵は?①実質賃金引き上げ、②給付付き税額控除の在り方、を検証
2025年11月21日
グラス・ルイスの議決権行使助言が大変化
標準的な助言基準を廃し、顧客ごとのカスタマイズを徹底
2025年10月31日

