欧米におけるフィデューシャリー・デューティーの動き

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サマリー

◆金融審議会「市場ワーキング・グループ」では、「国民の安定的な資産形成とフィデューシャリー・デューティー」と題する審議が行われている。


◆フィデューシャリー・デューティー(Fiduciary Duty:以下FD)とは、英米法において信認を受けた者が履行すべき義務を指し、受託者責任とも訳される。金融庁の平成27事務年度金融行政方針によれば、「他者の信任に応えるべく一定の任務を遂行する者が負うべき幅広い様々な役割・責任の総称」とされている。


◆米国では、労働省が、退職口座での投資アドバイスに関して、ブローカー・ディーラーなどにFDを課す新しい規則を策定している。一方、EUでは、明確にFDそのものを課そうというわけではないと思われるものの、投資家保護のため、販売業者のみならず商品組成業者にも適合性原則を課そうとする動きが見られる。


◆わが国でも、「国民の安定的な資産形成」のため、投資家の保護と金融業者の利益の確保のバランスをいかに図っていくのかについて配慮しながら、FD導入に向けた検討が進められるものと予想される。

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