ESG投信のグリーンウォッシング対策

【金融庁】ESG投信、「最低水準」が事実上収斂していく可能性あり

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  • ニューヨークリサーチセンター 主任研究員(NY駐在) 鈴木 利光

サマリー

◆2023年3月31日、金融庁は、ESG投信に関する「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針」の一部改正(監督指針改正)を公表している。

◆監督指針改正は、ESG投信における「グリーンウォッシング」の防止を主題としている。

◆ESG投信の開示項目を見ると、「2022事務年度 金融行政方針」(2022年8月31日公表)において「国際的な動き等も踏まえ」と述べていたとおり、SFDR(EUを拠点とする資産運用会社等のサステナビリティ開示規制)のレベル2(細則)のそれとの類似性がうかがえる。

◆ESG投信の範囲(定義)や、「名称又は愛称」に関する制約を見ると、その内容は定性的なものにとどまっている。

◆もっとも、今後、何らかの「定量基準」が事実上導入される可能性がある。具体的には、金融庁によるモニタリングを通じて、ESG投信における「ESGを主要な要素として選定する投資対象への投資額」の最低水準が事実上収斂していく可能性がある。

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