2022年11月14日
サマリー
◆バーゼルⅢの最終合意を受け、銀行の自己資本比率規制においてオペレーショナル・リスク(オペリスク)相当額の算出方法が見直される。見直し後は、オペリスク相当額は、銀行の事業規模を表す「事業規模指標」に一定の掛目をかけた値に、「内部損失乗数」をかけた額として算出される。
◆事業規模指標が1,000億円を超える場合、一定の基準を満たせば、内部損失乗数は銀行の過去のオペリスク損失に応じて変動する値となり、過去のオペリスク損失が小さければオペリスク相当額も小さくなる。一方、事業規模指標が1,000億円以下の場合、内部損失乗数は常に1とすることができる。
◆見直し後は、過去の損失データの収集・保有・記録が新たに求められるようになる。全てのオペリスク損失事象について損失額や損失を塡補する回収額を特定することや、各損失事象について発生日・発覚日・会計処理日を記録することなどが求められる。
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