2012年02月01日
サマリー
FSBは、シャドーバンキングシステムを「ノンバンクによる信用仲介システムのうち、システミック・リスクおよび/または規制格差(regulatory arbitrage)の懸念をもたらすもの」と定義し、これに対する規制アプローチの大枠として4つのカテゴリー((1)銀行のシャドーバンキングシステムとの相互関連性の規制、(2)シャドーバンクそのものの規制、(3)シャドーバンキングの規制、(4)マクロ健全性手法)を提示している。
バックグラウンドペーパーを見る限り、FSBは、シャドーバンキングシステムに関連する現行の規制イニシアティブ(立法・規制提案等)を尊重した、「穏健な」スタンスを採っているといえる。
このようなFSBの「穏健な」スタンスは、金融危機を招いたシステミック・リスクの要因となったシャドーバンキングシステムへの規制アプローチとしては不十分である。銀行類似の信用仲介機能を供給する以上、シャドーバンキングシステムを通常のバンキングシステムと区別すべきではない。
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