改正個人情報保護法の詳細規定の検討状況
新たに公表が求められる事項、漏えい等の報告義務の対象となる要件
2020年11月17日
サマリー
◆2020年6月12日に「個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律」(以下、改正法)が公布された。足元ではこの改正に関する政令・委員会規則・ガイドライン等の整備に向けた検討・審議が行われている。
◆現在の検討状況として、個人情報取扱事業者に個人情報の安全管理措置に関する情報の公表を求めるほか、プロファイリングなどを行っている場合はより詳細かつ具体的な利用目的の特定を求めることが提案されている。また、個人データの漏えい等があった場合は、その規模(例えば1,000人を基準とする)・性質・内容(例えばクレジットカード情報など)・態様を考慮して、個人情報保護委員会への報告(速報、確報の二段階)・本人通知を求めることが検討されている。
◆さらに、個人データの越境移転を行っている場合は、移転先の外国における制度の有無、内容などを、移転先の第三者への照会や行政機関等の公表情報の参照で把握し、本人に情報提供することなどを求めることが提案されている。
◆個人データを扱う事業者等は、個人データの管理体制や漏えい時の報告・通知のフロー、越境移転に係るマニュアル・記録など、データガバナンスを改めて見直し・検証しつつ、政令等に関する検討の動向を見守り、2022年の改正法施行に向けた準備を進めることが求められるだろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
2020年03月23日
個人情報保護法の改正案が閣議決定
利用停止等の権利の行使要件や仮名加工情報の詳細などが明らかに
-
2018年08月27日
今さら聞けない個人情報保護法のQ&A①
個人情報ってどういう情報のこと?
-
2018年11月08日
今さら聞けない個人情報保護法のQ&A②
個人情報の取得や利用はどう行えばいいの?
-
2019年01月08日
今さら聞けない個人情報保護法のQ&A③
個人情報を第三者に提供するときに気を付けることは?
-
2019年05月07日
今さら聞けない個人情報保護法のQ&A④
個人情報保護法と海外の個人や企業との関係は?(GDPRとの関係は?)
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
2021年01月26日
銀行等の業務範囲・5%ルールなどの見直し
銀行制度等WG報告
-
2021年01月25日
2021年のASEAN5経済見通し
景気回復は年後半に加速。懸念が多いタイとフィリピン。
-
2021年01月25日
税金読本(16-2)税務署への財産債務の申告と国外転出時みなし譲渡益課税
-
2021年01月22日
金融商品の評価
金融商品の価値はどのように算定するのか?
-
2021年01月27日
多様性を受容する社会は、きっと創造的で成長性の高いものになる
よく読まれているリサーチレポート
-
2020年12月17日
2021年の日本経済見通し
+2%超の成長を見込むも感染状況次第で上下に大きく振れる可能性
-
2020年12月01日
2020年10月雇用統計
有効求人倍率が1年半ぶりに上昇
-
2020年11月20日
日本経済見通し:2020年11月
経済見通しを改訂/景気回復が続くも、感染爆発懸念は強まる
-
2020年08月14日
来春に改訂されるCGコードの論点
東証再編時における市場選択の観点からも要注目
-
2020年10月15日
緊急事態宣言解除後の地域別観光動向/Go To トラベルキャンペーンのインパクト試算
ローカルツーリズムが回復に寄与するも、依然厳しい状況が続く