2019年07月16日
サマリー
◆日本IT団体連盟は、2019年6月21日に情報銀行の認定第一弾として、三井住友信託銀行、フェリカポケットマーケティングの二社を認定した。この二社や現在公表されている情報銀行の共通点としては、提供先、提供元が限定されていることが挙げられる。データの自由な利活用を目指すのであれば、提供先、提供元を限定しない「オープン型情報銀行」への進化が期待される。
◆政府は情報銀行に関する環境整備として、「情報信託機能の認定に係る指針ver2.0」(案)を公表している。また、2019年の成長戦略でも2019年度内に情報銀行による円滑なデータ流通を可能とするための取りまとめを行うとされた。
◆現状、情報銀行の事業化を図る企業の多くは大企業であるが、これは情報銀行の特性上、認定基準で求められるセキュリティ体制、ガバナンス体制、提供先の審査能力・体制、資産規模の水準が高いことが理由の一つとして考えられる。
◆地域金融機関にはコンサルティング機能の発揮が求められているが、一つの策として地域金融機関に優位性・親和性がある「地域密着型情報銀行」の開業が考えられる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
「情報銀行」の事業化に向けた始動
事業者等の認定が開始する一方でデータの標準化等の課題は残る
2018年11月20日
-
2020年の個人情報保護法改正の見通し
利用停止権、漏えい報告義務、仮名化などの導入を検討か
2019年05月30日
-
今さら聞けない個人情報保護法のQ&A①
個人情報ってどういう情報のこと?
2018年08月27日
同じカテゴリの最新レポート
-
不行使議決権は会社のもの
株主総会を変えるエクソンモービルの個人株主議決権行使プログラム
2025年10月07日
-
株主提案天国は終了か?:テキサス州法改正
株主提案権制度をSEC規則による規制から州法による規制に変える
2025年05月19日
-
東証投資単位引き下げで変わる株主総会
議決権1つの価格が下がれば、株主提案権も「大安売り」に
2025年04月28日
最新のレポート・コラム
-
働く低所得者の負担を軽減する「社会保険料還付付き税額控除」の提案
追加財政負担なしで課税最低限(年収の壁)178万円達成も可能
2025年10月10日
-
ゼロクリックで完結する情報検索
AI検索サービスがもたらす情報発信戦略と収益モデルの新たな課題
2025年10月10日
-
「インパクトを考慮した投資」は「インパクト投資」か?
両者は別物だが、共にインパクトを生むことに変わりはない
2025年10月09日
-
一部の地域は企業関連で改善の兆し~物価高・海外動向・新政権の政策を注視
2025年10月 大和地域AI(地域愛)インデックス
2025年10月08日
-
政治不安が続くアジア新興国、脆弱な中間層に配慮した政策を
2025年10月10日
よく読まれているリサーチレポート
-
第226回日本経済予測(改訂版)
低成長・物価高の日本が取るべき政策とは?①格差問題、②財政リスク、を検証
2025年09月08日
-
聖域なきスタンダード市場改革議論
上場維持基準などの見直しにも言及
2025年09月22日
-
今後の証券業界において求められる不正アクセス等防止策とは
金融庁と日本証券業協会がインターネット取引の新指針案を公表
2025年09月01日
-
日本経済見通し:2025年9月
トランプ関税で対米輸出が大幅減、製造業や賃上げ等への影響は?
2025年09月25日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
第226回日本経済予測(改訂版)
低成長・物価高の日本が取るべき政策とは?①格差問題、②財政リスク、を検証
2025年09月08日
聖域なきスタンダード市場改革議論
上場維持基準などの見直しにも言及
2025年09月22日
今後の証券業界において求められる不正アクセス等防止策とは
金融庁と日本証券業協会がインターネット取引の新指針案を公表
2025年09月01日
日本経済見通し:2025年9月
トランプ関税で対米輸出が大幅減、製造業や賃上げ等への影響は?
2025年09月25日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日